業務改善お役立ちコラム
ルート営業の受発注業務を効率化するには?スマホでFAXレス&業務負荷を軽減する方法

ルート営業では、得意先への定期訪問や受発注対応を通じて、信頼関係を築き深めることが欠かせません。安定した売上の維持や顧客ロイヤルティの向上に直結するため、企業にとっても極めて重要な活動といえます。
しかし一方で、現場では依然として紙の注文書やFAX送信といったアナログなフローが多く残っており、担当者の業務負荷やヒューマンエラーのリスクが課題となっています。
本記事では、こうしたルート営業の受発注業務をスマホやクラウドツールで効率化し、FAXレス化を実現する方法をご紹介します。現場の業務を楽にしながら、全体の生産性を高めるポイントを押さえていきましょう。
ルート営業とは
ルート営業とは、すでに取引関係のある顧客を定期的に訪問し、継続的な受注と信頼関係の維持を目指す営業活動です。新規開拓を主体とする営業とは違い、安定した売上の確保や追加提案による売上アップが見込めるメリットがあります。
ここでは、BtoB営業全体と比較した際の違いや、ルート営業が果たす役割を押さえていきます。
新規開拓営業とルート営業の違い
新規開拓営業では、まだ取引のない企業に対して提案を行い、顧客として獲得することが主な目的となります。そのため、市場調査やターゲティング、初回接触からの信頼構築、課題のヒアリングといった一連のプロセスが重視され、提案力や交渉力が問われます。
一方、ルート営業は既存顧客への定期訪問や受注対応が中心で、すでに築かれた関係性を維持・深化させることが重要です。継続的な受発注対応に加えて、商品知識の深さや、細やかなフォローアップによって、顧客の満足度を高めることが求められます。また、定期的なコミュニケーションを通じて、顧客のニーズや課題をいち早く察知し、タイムリーな提案ができるのもルート営業の強みです。
ルート営業が担う役割と重要性
ルート営業において重要なのは、既存顧客から安定的に受注を得るだけでなく、顧客が今後求める新商品や追加サービスのニーズをいち早く察知し、的確に提案していくことです。そのためには、顧客との継続的なコミュニケーションを通じて信頼関係を深め、潜在的な課題を見抜く力が求められます。
こうしたルート営業の活動は、企業の信頼獲得やブランド価値の向上にもつながります。既存顧客との強固な関係を築ければ、競合他社への乗り換えを防ぎながら、共創による新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も広がります。
このように、ルート営業は企業の基盤を支える重要な役割を担っていますが、現場には非効率な業務フローが残されていることもあります。たとえば、紙の受注書類やFAXに依存した対応は、事務作業の負担を増やし、営業本来の提案活動に割ける時間を圧迫します。
ルート営業の価値を最大限に引き出すためには、こうしたアナログ業務を見直し、デジタルツールを活用して業務全体をシンプルに整えることが不可欠です。営業担当者がより多くの時間を顧客との対話や提案に充てられる環境づくりこそが、持続的な関係構築と売上拡大につながります。
ルート営業における受発注業務の現状と課題
ルート営業の業務は、顧客との関係構築だけでなく、受発注情報を正確かつタイムリーに本部や倉庫へ伝達する役割も担っています。しかし、現場では依然としてアナログな手法が多く残り、生産性やミス発生の観点で課題が山積しています。ここでは、ルート営業における受発注業務の代表的な3つの課題を整理します。
①紙とFAXに依存した非効率な運用
多くの現場では、顧客訪問時に紙の注文書を作成し、事務所やコンビニからFAXで送信する運用が続いています。このフローは、文字が読みにくい・送信ミス・用紙の紛失など、アナログならではのトラブルを招きやすく、受注精度の低下につながります。
また、本部側ではFAXで受け取った注文内容を手入力でシステムに転記することも多く、二重入力による作業負担とヒューマンエラーのリスクが常につきまといます。
②営業担当者と本部の両方に発生する業務ロス
外出先からFAXを送るにはコンビニを探して順番待ちをしたり、送信後の確認に時間がかかったりと、営業担当者の移動や対応に無駄な工数がかかっています。本部側も、読み取りづらいFAXをもとに属人的な解釈で入力するため、誤入力や確認のやり取りが増え、結果的に納期遅延や出荷ミスといった事態を招くケースもあります。
③受注情報の反映が遅れ、在庫・出荷判断に支障
受注情報がリアルタイムでシステムに反映されないと、在庫や出荷手配の判断が後手に回り、顧客対応に支障をきたす恐れがあります。特に繁忙期や短納期の注文では、「注文を受けたのに欠品」「即納対応できなかった」といった機会損失が発生し、信頼関係の毀損や営業成果の低下につながりかねません。
ルート営業の効率化がもたらす4つのメリット
受発注業務をデジタル化し、業務オペレーションを見直すことで、単に作業のスピードや正確性が向上するだけでなく、ルート営業の質そのものを高めることが可能になります。ここでは、効率化によって得られる主なメリットを4点に整理してご紹介します。
①営業活動に集中でき、提案力が向上する
FAXや紙の処理作業から解放されることで、営業担当者は本来の業務である提案・商談に集中できます。店舗での対話時間が増えれば、顧客ごとのニーズを深掘りした提案ができ、信頼関係の構築や追加受注の機会拡大につながります。
また、顧客の声をすぐにシステムへ入力・共有できる体制があれば、次回提案や改善活動のPDCAサイクルも回しやすくなります。
②作業時間とコストの削減
FAX送信の手間やヒューマンエラーのリカバリーに費やしていた時間を削減でき、営業稼働率の向上と業務コストの圧縮が可能になります。印刷・郵送・保管といった紙ベース特有の付帯コストも不要となり、全体の業務負荷を軽減できます。
受注管理をクラウド化すれば、サーバーやソフト保守の最適化も進み、将来的には新商品開発や販促施策への再投資も期待できます。
③業務の標準化と属人化の排除
紙とFAXによる運用は、経験値や慣習に依存しやすく、特定の担当者がいないと業務が回らないというリスクを抱えがちです。
デジタル化された受発注フローであれば、誰でも同じ手順で処理できる業務設計が可能になり、人員交代時の混乱も最小限ですみます。標準化された仕組みを通じて、業務品質の平準化と教育コストの削減が図れます。
④組織全体の連携とデータ活用が促進される
営業と本部間の情報共有がリアルタイムで行えるようになれば、意思決定の迅速化や在庫・出荷管理の最適化にもつながります。データに基づく顧客対応や販売戦略の見直しも容易になり、部門を超えた連携強化と企業全体の底上げを実現できます。
こうしたルート営業の課題を解決し、業務効率化を実現するのが、スマホで使える受発注アプリ「Pittaly Order」です。次の章では、その導入メリットと実際の活用事例をご紹介します。
Pittaly Orderで実現した受発注業務の効率化
スマホで完結する受発注システムとして注目されているPittaly Orderは、紙やFAXに依存したフローからの脱却を可能にし、利用企業からも高い評価を得ています。
ツールを導入する際、最も重要なのは使いやすさと現場へのフィット感です。Pittaly Orderはスマホから簡単に受注データを入力でき、リアルタイムに本部と共有することで業務効率化を図れます。
ルート営業の効率化を検討する際、まずはこのような受発注管理システムを使い、FAXレス化の一歩を踏み出す企業が増えています。
注文はスマホで完結、FAX送信は不要に
Pittaly Orderの最大の特徴は、スマホカメラで商品バーコードを読み取るだけで注文情報を入力、本部に送信できる点です。従来のように紙の注文書を作成してFAXを送る手間がいらないため、訪問先から直接注文を処理することができます。
この仕組みならコンビニを探す時間やFAX不達の心配が消えるため、営業担当の負担が大幅に軽減されます。さらにデータがデジタルで管理されるので、本部とのやり取りもスピーディーかつ正確です。
期待できる効果は単に時間削減だけでなく、記入ミス防止、データの自動整合など多岐にわたります。使い慣れたスマホでの受発注処理は、導入後すぐに生産性向上が実感できるでしょう。
入力ミス激減、締切時間前の駆け込み作業が解消
紙の注文書でありがちだった数字の記入ミスや、FAXの不鮮明さによる読み取り間違いを大幅に減らせるのは、受発注業務のデジタル化の大きなポイントです。
締切時間前に慌てて大量のFAXを送っていた…なんてことは今後不要です。ルート営業担当者は、受発注業務のストレスを感じることなく本来の営業活動や訪問先でのコミュニケーションにより集中できます。顧客対応に時間を割くことで、丁寧なフォローアップが可能になるでしょう。
本部の作業ゼロ化で出荷業務もスムーズに
従来のFAX受信後の手入力作業が不要となり、本部オペレーターの業務負荷は大幅に軽減されます。注文データはPittaly Cloudに連携され、システムに取り込むことができます。後続作業である、在庫管理や出荷手配との連携もシームレスに進みます。
また、Pittaly Orderはkintoneや販売大臣との連携できます。受注データの二重入力の排除、作業時間の短縮、ヒューマンエラーの削減を実現します。
ルート営業の効率化を進めるための4つのポイント
ルート営業の業務を本質的に効率化するためには、単なるツール導入にとどまらず、「現場での使いやすさ」「本部との連携」「継続的な運用」「可視化と改善」を含めた多角的な視点が必要です。以下では、特に重視すべき4つのポイントを紹介します。
① スマホ活用による現場起点のデジタル化
スマホでの運用により、紙やFAXを使っていた非効率なプロセスを排除できます。営業担当者は外出先でも注文を即時入力・送信でき、処理のタイムラグや記入ミスを大幅に削減可能です。
さらに、アプリ形式なら操作が直感的で、商品一覧や過去の注文履歴を活用した提案営業にもつなげやすくなります。
② 本部とのリアルタイム連携で業務を最適化
現場で入力されたデータがそのまま本部に連携されることで、在庫確認・出荷準備のスピードが向上し、顧客満足度も高まります。
リアルタイムでの共有により、本部も営業状況の見える化ができ、適切なタイミングでの支援や判断が可能になります。
③ 継続的に使える仕組みで定着を促す
いくら優れたシステムでも、現場に負担をかけるようでは定着しません。起動が速い、数回のタップで完了する操作設計など、継続して使いたくなる工夫が必要です。
現場のフィードバックを踏まえて定期的に改善できる柔軟性も、運用の安定には欠かせません。
④ 注文データの可視化と活用で営業力を底上げ
紙の注文書では集計や分析に手間取った受注情報も、デジタル化によってタイムリーに一覧・検索・ダウンロードが可能になり、スピード感をもった質の高い営業活動を展開できます。
たとえば、よく注文される商品や時期ごとの発注傾向を把握することで、提案内容の強化や在庫戦略の最適化に活かせます。
営業現場では、過去の注文履歴を即座に確認できるだけでも、提案のきっかけづくりや対応スピードの向上に直結します。
こうした受注データの利活用は、現場の勘や経験に頼らず、属人化を防ぎながら営業の底上げを図る上で欠かせない要素です。
ルート営業の発注業務に、ハンディーターミナルを導入し効率化しようとしたところ、ハードウェア調達費用やシステム構築費用がかさむことで断念。営業担当に支給していたスマホを活用して効率化できないか?と考え、Pittaly Orderの採用に至りました。
まとめ:ルート営業の効率化は“現場起点”で始めよう
実際に受発注を担当する現場を起点にデジタル化を推進することで、属人化やアナログ対応の弊害を解消し、営業活動そのものを強化することができます。
ルート営業の特徴である既存顧客との強い結びつきは、アナログなフローの改善をきっかけにさらに深まる可能性があります。FAXレス化やシステム導入を通じて受発注業務を効率化すれば、営業担当者は商談や提案力の向上に時間を割くことができ、顧客満足度や売上の向上が期待できます。
また、これまで属人化していた事務処理も標準化とシステム化によって再構築することで、企業全体の生産性を底上げする効果につながります。効率化を図る際には、まず営業フロー全体を見直し、改善の優先順位を決めて取り組むことが大切です。
こうした取り組みは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を段階的に進める第一歩となり、急速に変化する市場環境にも柔軟に対応できる強い営業組織づくりへとつながります。今こそ、現場の声を反映した効率化を実現させましょう。