業務改善お役立ちコラム

Pittaly Order

スマホアプリ活用でFAX注文書処理業務を効率化するとは?

人手不足が叫ばれている中、多くの企業でFAXを用いた注文書のやり取りが依然として存在しており、手作業での処理による業務負荷が問題視されています。紙ベースの運用では、書類の確認や保管、さらに手入力でのミスなど、人為的なリスクが避けられません。

こうしたFAX注文書処理の課題に対応するために、さまざまなデジタル化・効率化の方法が検討されてきました。Web受発注システムやクラウドFAX、OCR技術などが登場しているものの、コストや導入ハードルの高さ、取引先への影響などで導入をためらう企業も少なくありません。

そこで注目されるのが、FAXによる注文送信をスマホアプリに替えることによるFAX注文処理の効率化です。使用するデバイスはスマートフォンで手軽に導入できるうえ、発注側は、FAX記入の手間が軽減でき、受注側はFAXに記載された注文情報の手入力や紙書類管理などの負担がなくなります。スマホで処理することにより、注文情報がはじめからデータ化されているので、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)化にも寄与します。本記事では、スマホアプリでFAX注文書の処理を効率化するメリットとソリューションを詳しくご紹介します。

FAX注文書と受発注業務の基本をおさらい

まずは、FAXによる受発注の流れや役割を再確認しましょう。

一般的なFAX注文の流れは、取引先からFAXで注文が届き、受注側が紙を確認して内容を手動でシステムに入力するというものです。これは紙と人力が中心のオペレーションであるため、どうしてもスピードと正確性の両面で課題が出がちです。

FAX注文書は実際の商品コードや数量を手書きで記載するケースも多く、読み間違いや入力ミスが発生しやすくなります。また、注文書を探し出す手間や保管コストもバカになりません。こうした手続きは、企業規模や取引量に応じて増える一方です。

一方で、未だにFAXを利用する取引先が多いのも事実です。そのため、完全にデジタル化を進めたい企業にとっては、取引先におけるDX推進の状況などを踏まえながら、現実的な方法としてFAX注文書の効率化策を検討する必要があります。

FAX注文処理の現状とよくある課題

FAX注文処理においては、紙ベースの作業や手入力が中心となることで、様々な課題が浮き彫りになります。

企業がFAXを使い続ける背景には、取引先との慣習や業務フローが根付いているという事情があります。しかし、その裏には多数の潜在的な問題が存在します。紙の注文書を人間が確認し、誤りがないかチェックしてシステムへ入力する作業の非効率さが典型的な例です。

こうした非効率さは、人件費の増大やリードタイムの長期化にも直結します。たとえば、注文書の見落としや確認ミスが起こると、納期回答や商品発送が遅れ、顧客満足度の低下にもつながってしまいます。

 

手書き・手入力によるミスと作業負担

手書きの情報を読み取って入力する作業は、どうしても属人的になりやすく、ヒューマンエラーを完全には防ぎきれません。一度チェックをしても、注文データが多くなるほどミスが増幅するリスクは高まります。

さらに、見積依頼や納期確認などの複数回のやり取りがFAXで行われる場合、その都度手入力での転記作業が発生し、スタッフの負担が大きくなります。紙と人力に頼った処理は限界があるといえるでしょう。

 

FAX受信見落としのミス

FAXで受信した用紙が他の書類に紛れ込み、締め切りに間に合わなくなるケースが起こり得ます。

見落としによる遅延は、取引先との信頼関係を損なう恐れもあります。受注漏れをゼロにするには、FAXの管理をシステム化しなければなりません。

 

書類管理・ファイリングの負荷

紙のFAX注文書を保管する場合、大量のファイルや専用の保管場所が必要です。長期的には保管スペースの確保にコストがかかり、探し出す手間も増大します。

また、過去の受注履歴などを参照するときには、検索する時間的コストが積み重なります。このような紙書類の管理は、業務の生産性を下げる要因のひとつです。

 

属人的作業からの脱却困難

FAX注文書の処理方法が特定の担当者に依存しているケースでは、属人化が進み、引き継ぎが難しくなります。作業のノウハウや注意点が共有されずに、業務が停滞する危険性もあります。

組織全体として統一したフローを構築できないと、結果的に業務標準化の支障となり、ミスや遅延を引き起こすリスクが増大します。

FAX注文を効率化するメリット

FAX注文業務の効率化は、企業に多大なメリットをもたらします。FAX運用をスマート化し、手入力や紙書類管理を削減するだけでも、業務コストの大幅な削減が実現できます。さらに重要なのは、これらの取り組みが企業全体のデジタル変革(DX)への基盤構築につながることです。

 

作業時間の短縮と業務コストの削減

従来の紙ベース処理では、書類の仕分けから入力作業まで膨大な時間を要し、さらにミスを修正するための余計な手間も発生していました。デジタル化によってこれらのプロセスが一気に簡略化され、大幅な時間短縮とコスト削減が期待できます。

加えて、紙の印刷費用や郵送費、書類管理にかかる人件費といった間接的なコストも大幅に削減可能です。これらの効果が積み重なることで、企業収益への好影響が着実に現れます。

 

ヒューマンエラーの減少と品質向上

紙のFAX注文書を読み取ってシステムに入力する工程を削減することで、誤入力の余地が大幅に少なくなります。自動化による受注データ反映が実現すれば、ヒューマンエラーの根本要因を取り除くことができます。

データ入力の品質が向上し、クレームや再確認のやり取りが減ることで、取引先や顧客からの信頼度も高まります。これは長期的な取引関係の強化にもつながる重要な効果です。

 

紙・印刷・保管費用の削減

ペーパーレス化を推進することで、用紙や印刷インクの消費量が激減し、ファイリングや保管にかかるスペース確保も最小限で済むようになります。長期保存が必要な書類もデジタルデータで管理でき、検索性も飛躍的に向上します。

大規模な施設を運営する企業の場合、保管スペースのコスト削減効果は特に大きいといえます。物理的なスペースを他の付加価値創造活動に有効活用することも可能となります。

 

業務デジタル化によるDX推進基盤構築

FAX注文処理の効率化は、単に受注業務の改善だけでなく、企業全体のデジタル変革への重要な基盤となります。注文書のデータ化により、受注傾向の分析、在庫管理システムとの連携、売上予測の精度向上など、様々な可能性が広がります。

デジタル化されたデータは、AI活用による需要予測や自動発注システムとの連携基盤としても機能します。これにより、将来的なIT投資や業務自動化への道筋が明確となり、継続的なDX推進のための強固な基盤づくりを加速させることができるのです。

スマホアプリによるFAX注文処理解決策の提案

FAX注文をデジタル化する最も実用的な解決策として、スマホアプリを活用した受発注業務の効率化をご提案いたします。スマホアプリによる発注システムは、取引先からの注文情報を瞬時にデジタルデータとして受注企業に連携し、従来のFAX処理で発生していた様々な課題を根本的に解決します。

 

バーコードスキャン機能の活用

商品に印刷されているバーコードやQRコードをスマートフォンのカメラで読み取り、注文数量を入力して送信するだけで発注作業が完了します。受注側では、そのデータをリアルタイムで受信し、手入力やダブルチェックといった人的作業を経ることなく、直接基幹システムへ連携することが可能です。
この仕組みにより、これまで頻繁に発生していた注文情報の二重入力や変換ミスを根本的に防止できるだけでなく、処理速度の飛躍的な向上も実現します。

 

直感的な操作性で取引先負担ゼロ

取引先に新しいシステム導入を求める際、企業によっては利用権限の付与や従業員への操作研修など、導入ハードルが高くなりがちです。しかし、スマートフォンアプリを利用したシンプルな仕組みであれば、普段使い慣れたデバイスでの直感的な操作が可能となり、現場での習熟も早く、発注業務の効率化を実感していただきやすくなります。
特別な技術知識や複雑な研修は不要で、アプリをダウンロードした当日から実用的に活用できる点が大きな特徴です。

 

低コスト導入でEOSの代替に

大規模なEDIシステムやEOSを導入する場合、初期投資として数百万円から数千万円の費用が必要となり、運用面でも継続的なコストが発生します。一方、スマートフォンアプリを活用したFAX注文のデジタル化であれば、初期費用を大幅に抑制しながら段階的な運用開始が可能です。
既存のITインフラを大幅に変更する必要もないため、コストと手間を最小限に抑えながら業務効率化を実現したい企業にとって、極めて現実的な選択肢となります。

 

段階的導入が可能な柔軟性

全取引先に一斉導入を求める必要はありません。協力的な一部の取引先からテスト導入を開始し、効果を十分に確認した上で段階的に適用範囲を拡大するスモールスタート方式が採用できます。
この段階的アプローチにより、想定外のトラブルや現場の戸惑いを最小化し、実際の運用を通じて得られた現場の声を反映した形で運用ルールを整備できるという大きなメリットがあります。成功事例を積み重ねながら確実にデジタル化を推進できる点が、多くの企業に支持される理由です。

スマートフォン向けの受発注システムアプリPittaly Orderとは

Pittaly Orderは、従来のFAXや電話による注文書のやり取りを、スマホのバーコードスキャン機能を活用することで、誰でも簡単に発注業務を行えるよう設計された受発注システムアプリです。

発注側(小売店・取引先)は、無料でアプリをダウンロードし、商品のバーコードをスマホカメラで読み取って数量を入力するだけで発注が完了。受注側(メーカー・卸売業者)は、クラウドサービス上で受注データを一元管理し、リアルタイムで発注情報を受信できます。さらに、既存の基幹システムとの連携も可能なため、業務全体の効率化とミスの削減が期待できます。

 

3ステップで完了する直感的な発注プロセス

Pittaly Orderの操作は非常にシンプルで、商品選択・数量入力・送信の3ステップで発注が完了します。商品はバーコードスキャンまたは商品一覧から選択でき、発注したい数量を入力したら、ワンタップでデータ送信。現場スタッフでも迷わず使える設計が、業務の属人化を防ぎます。

 

業務スタイルに合わせた多彩な発注方法

バーコードスキャンによる商品読み取りに加え、商品名・分類・単価順などで検索できる商品検索機能を搭載。よく注文する商品をマイリスト化して一括発注できる「マイリスト発注」や、PC環境からも発注可能な「Web発注機能」など、現場のニーズに応じた使い方が可能です。

 

発注・受注双方に対応した充実の管理機能

発注側には、発注履歴の確認やデータ区分設定(発注・売上・棚卸など)、一括数量入力機能、外付けバーコードスキャナーなどのオプション機器対応など、業務効率化を支える機能が揃っています。

受注側には、商品マスタ管理やCSV形式での発注データダウンロード、店舗・端末ごとの管理機能、基幹システムとの連携に加え、kintoneとの連携機能も搭載。さらに、販売管理システム「販売大臣AX」とのデータ連携にも対応しており、Pittaly Orderで取得した発注データをそのまま販売大臣AXに取り込むことが可能です。これにより、受注データの二重入力を排除し、作業時間の短縮とヒューマンエラーの削減を実現します。

【導入事例】花王グループカスタマーマーケティング様

花王グループカスタマーマーケティング株式会社 
カスタマートレードセンター  受注開発グループ シニアリーダー 水上 直樹氏

Pittaly Orderを導入し、FAX受発注を改善した企業の事例を見てみましょう。

花王グループの販売機能と卸売機能を担う花王グループカスタマーマーケティング(以降KCMK)では、長年にわたり中小規模の取引先との受発注業務にFAXを使用していました。取引件数の多さに加え、手書き注文書の判読やシステムへの手入力によるミス、属人的な作業負荷が大きな課題となっていたのです。

こうした課題を解決するため、KCMKはユーザックシステムと共同で「Pittaly Order」の導入を決定。スマートフォンのカメラで商品バーコードをスキャンするだけで発注が完了するこのアプリは、現場の負担を最小限に抑えながら、受発注業務のデジタル化を実現しました。

2023年10月の試験導入からわずか2か月で250店舗に展開され、受発注ミスはゼロに。特にSKU数が多い化粧品などの発注において、数量単位の誤認防止機能が高く評価されました。KCMKは今後、全国1万店舗への展開を目指しており、流通業界全体のDX推進にも貢献しています。

事例全文はこちら→脱ファクス DXのボトルネック、どう解消?花王グループに学ぶ、取引先とのペーパーレス推進法

まとめ:Pittaly Orderで、FAX注文書処理業務の効率化

FAX注文書の処理には、手書きや手入力がつきものという認識が根強くありますが、スマホアプリを活用すればそうした慣習を変えるきっかけが得られます。簡易な導入から始められ、取引先にも極力負担をかけずに新たな仕組みを定着させることが可能です。

特に、「Pittaly Order」のようなサービスを利用すれば、業務フローの変更を最小限に抑えながら効率化でき、DX推進の足がかりにもなります。FAX注文書の効率化は、企業がさらなる生産性向上を目指すうえで、避けては通れない重要なテーマといえるでしょう。
Pittaly Orderの無料トライアルはこちらからどうぞ→Pittaly Order1か月無料トライアル